会社の忘年会の景品は重要です

社会人になってから何度か転職をし、複数の会社の忘年会を経験しています。

会社の行事がどうなっているかで、その会社の雰囲気がわかるものです。

例えば新卒で入社した会社は、春は花見、夏は暑気払い、秋は月見と何かにつけて飲み会が開かれていました。

小さな会社だったので飲み会は社員全員が出席し、上司も部下も関係なく好きに飲んで食べて大騒ぎしていました。

普段から社員同士の仲が良く、社員の年齢層が下は20代から上は60代までと幅広く、同年代でかたまるということがなかったため、全員と分け隔てなく仲良く接することができました。

次に勤めた会社は、忘年会がありませんでした。

新年会もなく、普段の飲み会も一切ありませんでした。

もちろん飲み会がなければいけないというわけではありませんが、あまりのドライさに驚きました。

聞けば社長の考えだそうで、会社は仲良しの友達を作る場ではなく、仕事をして給料をもらう場だ、仕事以外のことは極力避けるという考えを持っていたようです。

確かに会社は仕事をする場に間違いありませんが、その仕事を円滑に進めるためにも、社員間のコミュニケーションを密に図る飲み会は、ある程度必要ではないかと私は思います。

仕事中の雑談はほとんどなく、社長や上司の目が怖くて話せない雰囲気がありました。

その雰囲気に耐えられず、結局退職してしまいました。

そして今勤めている会社は、忘年会のビンゴ大会のために月々給料から積み立てをしておいて、そのお金で景品を購入するということを行っています。

初めてその話を聞いた時、正直なところ面倒だと思う気持ちがないわけではありませんでした。

毎月500円という少額ではありますが、貴重な給料の中からお金をとられ、当たるかわからないビンゴの景品のためにもったいないという気持ちがありました。

しかし、入社後初めて参加した忘年会で、その気持ちは吹っ飛んでしまいました。

景品を選ぶのは総務課の女性社員で、その景品選びがとてもセンスの良いものだったのです。

例えば海外セレブが使用していると話題になっていた美顔器といった高価なものを筆頭に、その年に流行していた商品が多数取り揃えられています。

自分で買おうとは思わなくても人からもらうと嬉しいものというのがあると思いますが、まさにそういった商品が並んでいました。

普段使うには躊躇してしまうような高級なバスグッズ、芸能人の愛用者が多数いるとテレビで宣伝されていた頭皮ケアグッズ、美容に敏感な女性の間で話題を集めているかかとの角質除去グッズなど、特に女性社員が大喜びするラインナップです。

男性社員にとっては不必要なものかもしれませんが、既婚者が多数なので、持って帰れば奥さんが喜ぶと思います。

毎年目玉商品として、高額な商品が1点だけ並びます。

美顔器の年もあれば、羽毛布団や低反発枕もありました。

ここ数年で最も喜ばれたのは、高機能ミキサーでした。

女性社員の間で朝食にグリーンスムージーを飲むことが流行していた時で、ビンゴでそのミキサーを当てたのは年配の男性社員でしたが、それを気に入った奥さんが毎朝スムージーを作るようになったと嬉しそうに話していた姿が印象的でした。

これまでのビンゴで唯一私が当てたのは、テーマパークのペアチケットでした。

そのテーマパークはとても人気があり、当時付き合っていた彼といつか一緒に行こうと話していたので、すぐに日程を決めて行きました。

有休を取って平日に行くことができたので、思っていたより空いていて、乗りたいと思っていたアトラクションに全て乗ることができました。

休日は行列ができるというグルメも、ほとんど並ばずに食べられました。

朝から夜まで丸1日たっぷり楽しむことができました。

彼も心から喜んでいて、2人の大切な思い出ができ、本当に嬉しい景品でした。

以前勤めていた会社のように、会社は仕事をする場で飲み会は必要ないと考えるところもあると思います。

その考えに納得できる部分もありますが、私が思うには仕事以外の場で上司や同僚の人柄を知ることでその後の仕事がやりやすくなることは十分考えられます。

苦手だと思っていてあまり話したことのなかった同僚がいて、仕事でのやり取りも必要最小限にとどめていましたが、飲み会で隣になったら実は趣味が同じだということがわかり、それからは会社でも頻繁に話すようになったことで仕事がスムーズに進むようになりました。

過剰に仲良くなる必要はありませんが、コミュニケーションという面で飲みの席というのは必要だと思います。

毎年忘年会が楽しみに思っているのは私だけでなく、近くなると今年はどんなラインナップなのか、社員同士で話し合うことも多いです。

たかが忘年会、たかが景品と思われるかもしれませんが、社員を楽しませることを考えてくれる社長の気持ちが伝わります。

その恩を仕事で返せるように、もっと頑張ろうと思っています。