今まで様々な体験を積んできたものですが、その中でも印象深かったのが、参議院議員の選挙に関わった経験です。
いわゆる遊説カーに乗ったこともあり、男性としては珍しく、緊急でマイクアナウンスを行ったこともあります。
というのも、普段はあくまでナビゲーションを担当していたのですが、その日はスモッグが酷く、ウグイス嬢の方が喉を痛めてしまったのです。
短時間での代理ということでしたので、覚えやすいフレーズを叩き込んで、マイクを通して声をあげることになりました。
遊説カーというのは、どこでも空気を読むことなく叫び続けるイメージがありますが、実際はきちんとしたマナーがあります。
ひとつは、学校・幼稚園・病院などはマイクをオフにするというものです。
静かに勉学に勤しんだり、小さな子どもがお昼寝したりするのを邪魔すれば、これはマイナスイメージにしかなりません。
遺族の悲しみに暮れている葬儀場の前などは、もってのほかです。
そして、他候補の車が向こうからやってきたのならば、品のない煽り合いなどはせず、きちんと健闘を称え合うというのも、業界の仁義となっています。
この際、相手よりちょっとでも早く健闘を祈る旨を言うことができれば、ちょっとだけ嬉しいという、その程度の張り合いにしかならないのです。
こうした遊説行為というものは、一般市民のみなさんからは、あまり歓迎されていないというのも実情です。
実際に、遊説カーに唾を吐かれたこともあります。
それでも止めることができないのは、遊説を行えば投票効果に結びつくことが、実際の数字として現れているからなのです。
得票数という事実が動かない限り、遊説カーがなくなることはありません。
さて、実際の参議院議員候補というのが、どのような人物かといえば、どの方も腰が低く、きちんとしているといった印象でした。
議員といえば、偉そうにふんぞり返っているイメージでしたので、これは意外なことでした。
しかし考えてみれば、品性に問題のある人物がみんなに好かれるはずもなく、好かれない人間が票を集めることなどできるはずもありません。
偉そうな候補というのは、国政よりも地方議会に多いというのは、多くの選挙に関わってきた身としては、率直な感想です。
いずれにせよ、仮にも民主主義の国民である以上は、投票行動だけではなく、なんらかのかたちでの関わりも持つべきだと実感しました。
そうでなければ、政治をリアルに考えることができないのです。
元ニュースキャスターで議員さんの畑恵さんがいてますが、彼女も自信のブログで選挙の難しさを語っておられました。
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