放課後等デイサービスの基本的な事やメリットとは

近年耳にすることの増えた「放課後等デイサービス」という言葉ですが、どのような特徴があるのか確認してみましょう。

これは児童福祉法にもとづいた、障害のある就学児童向けのサービスで、略して「放デイ」と呼ばれています。

学童保育の側面がありながら、療育施設や運動を提供する場所もあり、居住場所としての活用方法もあります。

就学児童とは小学生から高校生までを指しており、特例によっては20歳まで利用する事が可能です。

利用する時間帯として放課後が挙げられる他、夏休みや冬休みなどの長期休暇時に通う事もできるのが特徴です。

参考サイト
ドッティハウス(放課後等デイサービス・児童発達支援) – 東大阪市の障がい児・者、高齢者介護 オードリーAudrey

以前は障害の種類によって提供するサービスが分けられていましたが、2012年に児童福祉法が改正されたことにともなって再編されたものとなります。

この事実上の規制緩和となる改正からは、障害者の就学児童向けのサービスが増加し、それまで不足していた施設が増えたという側面も見受けられます。

 

放課後等デイサービスを利用する条件

このような特徴がある放課後等デイサービスですが、利用するにはどんな条件があるのでしょうか。

まず就学児童という年齢ですが、原則として6歳以上18歳までとなっており幼稚園や大学は除きます。

そして障害を持つ児童という対象ですが、各市町村に対して申込みをする必要があり、医師などの意見書などをもとにして決定されます。

この場合療育手帳および障害者手帳はなくても良いので、利用者の裾野を広げているという特徴もあります。

利用料金は利用者側の1割負担となっており、各施設によっても利用料は異なります。

 

放課後等デイサービスの施設の種類

これらの放課後等デイサービスの施設はいくつかの種類に分けられますが、まず挙げられるのが学童保育タイプです。

このスタイルは各児童が比較的自由に過ごす時間が多く、それぞれが放課後などに気軽に立ち寄って利用するような特徴があります。

学校の宿題をこなしたり、普通に友達と遊んだりする時間もあれば、生活に役立つ料理や片付けなどを学ぶ時間を設けている施設もあるようです。

何かを習ったり時間割通りに過ごすのではなく、児童たちの自主性に任せるようなスタイルとなっています。

そして次に挙げられるタイプが習得型タイプの放課後等デイサービスです。

これは技術を学ぶようなプログラムが組まれており、例えば楽器の演奏やイラストなどを習うスタイルで、習い事教室のような側面もあります。

その他パソコンのスキルを学んで就業に活用したり、体操などの運動を習って健康の維持をするという特化型デイサービスとなっています。

またさらに専門的にスキルを習得する目的があるのが療育タイプのデイサービスで、専門資格を持つ作業療法士などが在籍している施設も見受けられます。

個人それぞれの性格や能力に応じてプログラムを組み、学習や行動の面をはじめとしてコミュニケーション能力の療育を実施していますので、専門性の高いデイサービスとなっています。

このような種類がありますので、児童の能力や希望などに合わせたデイサービスを検討してみるのも良いでしょう。

 

放課後等デイサービスのメリットまとめ

これらの事を踏まえて見えてくる放課後等デイサービスのメリットをまとめてみますと、まず障害者児童にとっての学習能力が向上するという部分があります。

療育タイプや習得型タイプはそれぞれに合わせた学習指導が特徴ですので、学校の授業では習得できない部分まで理解力が高まる事にも繋がります。

個性を伸ばしながらも学習の楽しさが体験できるので、自然と自信にもなっていく期待が持てます。

また児童の社会性やコミュニケーション力のアップも大事なポイントで、集団生活での基本的なルールを学んだり、友達や指導員と会話をしていく事で社会性にも役立ちます。

障害の内容などによっては、コミュニケーションを取ったり、集団の生活が苦手なお子様もいらっしゃいます。

デイサービスでは専門的に療育を熟知する指導員がいる場合もありますので、さらに心理面などの角度から個別での細かな対応ができるでしょう。

そして注目したい部分がデイサービスに通う事で、お子様の居場所ができるという点です。

障害を持った児童は中々気持ちを理解してくれる周りがいない事で、辛さを持っているケースがあるのも事実です。

そのため自分が安心できて過ごせる空間が必要となってきます。

理解して接してくれる人間がいる事で、不安感なども少なくなりますので、自分の居場所として利用できるのは大きな側面となっています。

デイサービスはお子様にはもちろんですが、保護者の方にとってもメリットがあります。

お子様がデイサービスを利用している時間は、自分の時間として活用できるので忙しい保護者の方にとっても有効的です。

またお子様の事で相談したい部分はプロの方に質問する事もできますし、保護者の方同士での交流や情報交換の場所としても活用できます。

このような部分が放課後等デイサービスの特徴となっていますが、法改正をきっかけに民間の施設も多く登場していますので、比較して利用してみるのも1つの方法でしょう。